現在のコンピュータは1つの計算を高速に無限回数繰り返して解を求めるシリアル方式である。一方一度に無秩序の組合せを求め、その中から解を特定する並列計算がある。例えば指定条件のルートを通る経路の特定などである。分子生物学の分野では、塩基配列の異なるDNA断片を経路に見立て、これらを実験的手法で無作為に反応させ、その組合せの中から最適解(経路)を特定するアプローチが試みられている。しかしこれは現実的ではない。本研究はこのような煩雑な操作を、申請者がこれまで開発した技術を転用して有機デバイスとして実現できないかと着想した。煩雑な並列計算工程を素子化するための基盤技術となり得る。
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