本研究は,摩擦攪拌接合装置に求められる高い剛性を緩和するため,溶融溶接で実施されている開口開先に対する多層肉盛充填を摩擦攪拌接合でも可能とする技術の開発を進めた.当初は肉盛材供給口を設けたステーショナリーショルダー型ツールを用いて接合を試みたが,肉盛材と継手母材の接合が不十分となることが判明した.その解決を試みたが望ましい成果は得られなかったため,ツールを一般的な形状に戻すとともに,開先形状を矩形開口開先とした.また,肉盛材は角棒状とした.これにより,開口開先が緻密に充填された継手が得られるようになった.多層多パス接合を摩擦攪拌接合専用機ではなく汎用工作機械でも達成できることを実証した.
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