現在の創薬は「脳の中」に発現する分子を薬剤開発の標的とすることがほとんどである。しかしなかなか良い治療薬が生まれていないのも事実である。我々が行う脳・臓器間ネットワーク研究は「脳の外」に標的を求めるという新たな発想を提示することになる。昨今流行のバイオマーカー探索についても何をもってバイオマーカーとするかという根本的なところから課題を提出し、解を示す。脳・臓器間ネットワークの概念の浸透は薬効評価型のバイオマーカー開発についても、「脳の外」で最初期から変動するバイオマーカーを探索する必要性を確立することになる。従来型の治療薬開発が功を奏しないなかで、本研究は新たな可能性を提示する。
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