ヒストン脱メチル化酵素であるFbxl11の精子形成における機能を明らかにすることを目的として、生殖細胞特異的Fbxl11ノックアウト(Fbxl11 cKO)マウスを作成し解析を行った。その結果、Fbxl11cKOマウスでは、精原細胞の自己複製には大きな影響は見られない一方で、精原細胞の分化が著しく抑制され不妊になることが明らかになった。さらに、Fbxl11 cKOマウスの精原細胞では、mTORC活性の低下が起こり分化が抑制されていることが明らかになった。以上の結果から、Fbxl11はmTORシグナルを介して精原細胞の分化を調節するという新規のモデルが提唱された。
|