本研究において、CD8陽性T細胞の活性化に関与する塩基メチル化の同定を特異的な抗体を用いたFACS解析により行った。その結果、N1-メチルアデノシン(m1A)陽性細胞は、分化度の高いCD8陽性のサブポピュレーションにおいて活性化により増加し、m1AのメチレースであるNMLの発現と相関していた。さらに、m1A陽性のCD8陽性細胞の割合は腫瘍形成を強く抑制する若いマウスではPD-1阻害治療により増加したが、腫瘍形成を抑制することの出来ない加齢マウスでは増加しなかった。このように、m1A メチル化がCD8陽性T細胞の活性に関与しPD-1阻害治療効果の予測マーカーになる可能性が示唆された。
|