近年、免疫チェックポイント阻害剤、ゲノム編集T細胞、がん抗原特異的TCRまたはキメラ抗原受容体(CAR)遺伝子導入T細胞を用いたがん免疫療法は第四の治療法として注目されている。しかし、ゲノム編集技術を用いた免疫細胞療法は国外では臨床試験が進んでいるものの、数多くの技術的な問題を抱えており、幅広い臨床応用は難しい状況である。本研究課題で開発したナノ粒子を利用したゲノム編集技術は従来の遺伝子導入試薬では不可能であった初代T細胞に対する簡便な遺伝子導入およびゲノム編集を可能にする技術である。今後、ゲノム編集T細胞を用いた免疫細胞療法の汎用化において重要なツールになることが期待できる。
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