Ferredoxin-NAD(P)+酸化還元酵素(FNR)の反応方向制御の詳細を,異なる方向性を示すFNRを用いた速度論的・構造学的解析に基づく比較研究により解明することを目指した. FNRのNADP+/Hとの反応では,方向性の異なるFNR間で還元型FADのコンホメーションとNADP+還元反応の律速段階が異なることから,還元型FADとアミノ酸残基の相互作用が方向制御に重要であると推察された.またC末端部変異体の反応の解析から,C末端部が他のドメインとの相互作用を通して中間体構造を安定化し,NADP+/HとFNR間のヒドリド転移速度や酸化還元平衡を最適化して方向制御に寄与することが判明した.
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