転写基本因子TFIIDは全遺伝子の9割の発現制御に関わり、転写開始において中心的な役割を果たす因子である。しかし、15種類のサブユニットから構成される分子量1MDaの複合体であるため、高分解能の立体構造は未だ解析されていない。研究代表者はこれまでにTFIIDと5種類の相互作用因子の大量精製法を確立してきた。次の問題は因子の混合順序であるが、我々は近年開発した分子進化の新しい指標に基づき、進化の過程で誕生した順に混合するという着想に至った。本研究では、A. TFIIDの結晶化と結晶構造解析、B. 分子進化的解析、C. TFIIDを含む複合体の再構成と立体構造解析、を行った。
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