研究課題
yki mRNAの3’UTRを用いて生化学的に精製、質量分析装置により同定した13種の候補因子の中に、アミノアシルtRNA合成酵素が2種含まれていた。そこで、他のアミノアシルtRNA合成酵素17種を含め、それらのノックダウン系統とmRNAが安定なyki mRNAの複眼での過剰発現系統(S2-i系統)とで遺伝学的な相互作用の有無を調べた。その結果、14種において、複眼色素の脱落やメラニンの沈着など、これまでのyki遺伝子の過剰発現系統が示す複眼の過形成とは異なる表現型が認められた。現在のところ、この色素の脱落およびメラニンの沈着の起こるメカニズムは明らかになっていない。yki 3’UTR結合タンパク質の解析と並行し、S2-i系統を用いて遺伝学的相互作用する因子の網羅的探索を行ってきた。その結果、P-bodyの主要構成因子で、mRNAの分解に関わるDCP2が得られた。そこで、DCP2がyki遺伝子発現にどのように関与するかを明らかにするため、DCP2を複眼特異的にノックダウンし、その複眼成虫原基におけるyki mRNAとタンパク質量を調べた。その結果、yki mRNAもタンパク質も変化はしておらず、今のところDCP2とykiの遺伝的相互作用の原因は明らかとなっていない。Ykiタンパク質は、リン酸化状態の変化によりその機能が制御されているため、今後DCP2ノックダウンにおけるYkiタンパク質のリン酸化状態に関して調べる予定である。
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