真核細胞は、細胞外の栄養状況の変化に適応するための仕組みを備えている。本研究では、グルコース飢餓ストレスに対する細胞応答機構の解明を目的とし、グルコース濃度の変化を感知するセンサー機構と、細胞表面で機能するグルコース輸送体の局在制御機構を、分裂酵母をモデルとした遺伝学的手法によって研究した。本研究の成果により、分裂酵母は、細胞外グルコース濃度そのものを感知する仕組みのほかに、細胞内でのグルコース代謝速度を感知する仕組みを備えていることが明らかとなった。また、グルコース輸送体の細胞内局在は、TORC1、TORC2シグナル経路やエンドサイトーシス経路によって制御されていることが明らかとなった。
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