研究課題
基盤研究(C)
本研究の中心的な課題として、クロロフィル分解とジャスモン酸合成の関係の解明がある。植物はジャスモン酸などの植物ホルモンの働きにより老化し、その結果クロロフィルが分解されると考えられてきた。しかし本研究により、クロロフィルが分解されるとジャスモン酸が合成され、老化関連の遺伝子の発現が誘導される、つまり老化が促進することが示された。この結果は、クロロフィルの分解が植物ホルモンを介して老化を促進していることを示唆している。本研究は、植物のクロロフィル分解の新しい役割を示したものである。
植物生理学
葉が黄色くなるのは、植物が枯れるときに一番目に付く特徴です。このような葉の色の変化は、光合成色素のクロロフィルが分解されることで起きます。これまで植物ホルモンが葉の老化を進めて、その結果クロロフィルが分解されて葉が黄色くなると考えれらていました。しかし本研究では、クロロフィルの分解によって植物ホルモンの合成が合成され、その結果葉の老化が進むことが示唆されました。このような観察から、クロロフィルの分解と植物ホルモンの合成が相乗的に影響しあい、葉の老化を速やかに進めていると考えられます。