幼少期に虐待やネグレクト(育児放棄)などの過剰なストレスを継続的に経験すると、将来、不安障害などの精神疾患の発症率が高くなるだけでなく、心臓病などの身体疾患の罹患率も大きく上昇すると言われている。本研究では、母仔分離ストレス負荷マウスを用いて、幼少期ストレスによって精神と身体に異常を発症する神経回路の変容機序の解明を目的とした。その結果、幼少期ストレスにより、扁桃体や側坐核等の神経回路に異常が生じ、嫌悪情動が弱くなることが示唆された。また、オキシトシンシグナルは、嫌悪情動の緩和に寄与することが示唆された。
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