イネの重要害虫ツマグロヨコバイは篩管からの吸汁により栄養分を摂取しており、口針を挿入して、吸汁に至る過程で唾液を分泌する。イネは、単に穴をあけられただけなら篩管をふさぎ液の流出を止めることができるが、ツマグロヨコバイを含めたイネ害虫はこの防御反応を越えて吸汁を行っている。ツマグロヨコバイの唾腺遺伝子、吐出タンパクのリストから、RNAiによる遺伝子抑制で吸汁行動や生存に影響を与える遺伝子を探索し、NcSP75がエフェクターであることを示唆した。NcSP75タンパク質の作用を選択的に阻害することができれば、他の有益な昆虫等に影響しない新しい害虫防除技術の開発につながると考えられる。
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