研究課題/領域番号 |
17K07846
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
森林科学
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
谷口 真吾 琉球大学, 農学部, 教授 (80444909)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 樹木繁殖 / 開花結実 / 豊凶周期(マスティング) / 13C安定同位体 / 繁殖資源 / 非構造性炭水化物 / リュウキュウコクタン / 亜熱帯島嶼 |
研究成果の概要 |
葉の光合成器官(ソース)で得られた繁殖資源の光合成産物を13C安定同位体トレーサー法によって花や果実の繁殖器官(シンク)に資源輸送するパターン(繁殖ステージ別にどのソースからシンクに転流したのか)とそのしくみの解明を操作実験で試みた。その結果、豊作年は「結実当年の光合成産物」を主に消費し、並作、凶作年は「結実前年の枝に貯蔵された炭水化物をまず消費後に結実当年の光合成産物を消費する」ことが判明した。しかしながら、豊作年の翌年に訪れる結実の並~凶作現象は豊作年の多量の果実生産がシンクとなり炭素・窒素を集積し、樹体内の炭素・窒素不足が翌年の花芽分化を阻害する実験仮説に関しては明瞭に把握できなかった。
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自由記述の分野 |
森林科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
亜熱帯常緑広葉樹の光合成産物(炭水化物)を安定同位体の標識法を用いて生理的な観点から繁殖資源の配分特性を把握した本研究の成果は、果実の豊凶現象の発生に対する至近要因ならびに究極要因の新たな解釈と豊凶現象の発生メカニズムの解明につながる基礎知見となることが期待される。本研究は13C安定同位体の標識法により繁殖ステージごとに繁殖資源の供給源と配分先を判明することができた。これらの結果をもとに、結実の豊凶現象の発生メカニズムと周期性に関する議論をさらに発展させることになり、学術的な意義は高い。しかし、炭素と窒素を多量に集積した翌年に樹体内の炭素・窒素不足が花芽分化を阻害する現象の解明はできなかった。
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