研究課題/領域番号 |
17K07908
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水圏生産科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
加藤 亜記 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 准教授 (00452962)
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研究分担者 |
小池 一彦 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (30265722)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | サンゴモ類 / 石灰藻 / 藻場の衰退 / 水温上昇 / 生育適温 / 生育上限温度 / 硝酸態窒素 / 強光阻害 |
研究成果の概要 |
本研究は,温帯域の小型海藻群落に優占する石灰藻サンゴモ類の3種の発芽体について,生育可能条件および好適生育条件を明らかにした。ヒライボ,エチゴカニノテ,ピリヒバの生育適温は同所的に分布する大型褐藻類のカジメ類やホンダワラ類と同様であったが,生育上限温度はカジメ類より高温であった。潮間帯下部から潮下帯に生育するヒライボとエチゴカニノテでは,少なくとも400 umol photons m-2 s-1で強光阻害が見られたが,これらより上部に生育するピリヒバでは見られなかった。ヒライボの硝酸態窒素の半飽和定数は,ほかの非石灰化海藻類と同様で,先行研究のエゾイシゴロモとは異なり,貧栄養耐性はなかった。
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自由記述の分野 |
藻類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
藻場の衰退が進行し,大型褐藻類が消失した「磯焼け」では,石灰藻サンゴモ類の特定種が卓越することが知られている。しかし,サンゴモ類も,藻場の下草として群落を形成し,水産重要種であるアワビなどの幼生の着底基質などとして重要な役割を担っている。本研究では,個体群の成立や維持を決定する初期生活史の発芽体を対象に,サンゴモ類の種により,水温,光量,硝酸態窒素濃度の生育可能条件や好適条件は異なり,それぞれの種の分布と関連があることを示した。このことにより,藻場の将来予測について,多数の先行研究がある大型褐藻類に加え,サンゴモ類の優占種を含めた総合的な検討が可能となったことが,本研究の意義である。
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