気象データに基づく畑地の土壌水分量・地温予測のために,土中水分・熱・溶質移動予測プログラムHYDRUS-1Dと,土壌面と植被面の熱収支式を考慮した2層モデルを連結したシミュレーションモデルの構築を行った.土壌乾燥に伴う蒸発速度と蒸散速度の低下と地表面熱収支の相互作用を考慮することで,より厳密な畑地の水・熱循環の予測が可能となった.特に,必要なパラメータである放射群落透過率について,地表面被覆率を用いることで,作物生長過程の土壌環境予測が可能であることを示した。また,農研機構メッシュ農業気象データで提供される気象予報値を用いた数値実験を行い,1週間程度の短期的な土壌環境予測について検討した。
|