本研究は地鶏や地域特産鶏において認められることが多い抱卵行動を制御するPRLに焦点を絞り、発生期におけるPRL細胞分化の機構を明らかにし、繁殖期における抱卵行動制御に繋がる研究成果をもたらすことを念頭に行われた。これまでに抱卵行動は主として視床下部にVIPの発現増加が引き金となり行動が誘起され産卵がストップすることが知られていたが、本研究により発生胚では視床下部因子の存在とは関係なくPRL遺伝子の発現増加は引き起こされることが示された。その結果、視床下部制御とは無関係な発現制御機構があることが示されたことから、初期の段階で発現増加を阻止することで繁殖期においても適応できる可能性が見出された。
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