多種多様な植物で構成される半自然草地は,家畜生産の場としてだけでなく,生態系サービスを提供する場としても重要である。半自然草地の利用および保全には,放牧した家畜がいつ,どこで,なにを,どれだけ摂取したかを知ることが,植物の種構成および量に直接影響するため,大きな役割を果たす。本研究は,加速度センサと機械学習を用いることで,これまで技術的に難しかった放牧家畜の採食植物の種類を採食行動から識別可能であることを初めて示した。本研究の成果とGPS/GISを組み合わせることで,放牧家畜による半自然草地の利用状況を経時的にモニタリングする可能性が高まり,利用と保全をより効果的に行うことが期待できる。
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