犬のPBMCよりMφ様細胞に誘導する複数の方法を実施し、Mφ様細胞に対して評価を行った。PBMCから誘導したMφ様細胞はいずれも形態的,機能的,および遺伝子的にMφであると思われた。FBS無添加培地に誘導因子を用いる方法が最も効率よくMφを採取できると思われた。これらのMφの網羅的遺伝子解析としてRNA-seqを実施し、発現遺伝子を比較した。 得られたMφを犬の膀胱移行上皮癌細胞と共培養したところ、抗腫瘍作用が増強する可能性が考えられた。本研究によりFBS無添加培地で誘導したMφ様細胞は、今後の実験に十分使用可能であり、犬の腫瘍に対する抗腫瘍効果を増強させる可能性が示唆された。
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