含窒素複素環構造は多岐に渡る生物活性化合物の作用の中枢を担うことが知られ、その作用の制御には複素環上の置換基の適切な配置が重要である。そこで、金錯体のオートタンデム触媒作用により、置換基の導入位置を高度に制御した一般性の高い新規多成分集約型含窒素複素環構築法を確立すべく研究を進めてきた。 その結果、金錯体のオートタンデム触媒作用によるジヒドロピラゾールのワンポット構築法および1,4-ジヒドロピリジンのワンポット構築法を確立することができた。現在、より酸化段階の高い多置換ピリジン誘導体の構築が可能となることを期待し、新たにオキシム誘導体を基質とする検討が進行中である。
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