シェーグレン症候群(SjS)は外分泌機能異常の異常に伴う乾燥症状を呈する自己免疫疾患であるが,本疾患の病因は明確ではなかった.本研究では,SJS患者の血清中に,水チャネルであるアクアポリン5(AQP5)に対するIgGすなわち自己抗体が高頻度で存在することを見出すとともに,本自己抗体が細胞膜上のAQP5を細胞内へ取り込み,さらに分解を誘発することを明らかにした.一方,分泌促進に伴う滋潤効果をもつことの知られる漢方薬である清肺湯には,このSJS自己抗体の影響を緩和する作用があることを見出した.本研究の知見は, SJSの病態形成機序の一助となるとともに,新たな治療法の確立に貢献することが期待できる.
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