研究成果の概要 |
アトピー性皮膚炎の様な重篤かつ難治性のかゆみに用いる治療薬の開発を目的として、かゆみの悪化因子として知られるストレスや血流の滞りに関連したモデルマウスにおけるかゆみの増悪化メカニズムの解析を行った.本かゆみにはセロトニンおよびオイピオイドμレセプターが関与していることを明らかにした. また, かゆみ過敏を示したマウスの胸腺で特異的に発現している機能性タンパク質を同定し, これらが新たな治療標的因子となる可能性を示した. さらに,抑制物質探索のためのシーズとなる植物の探索および活性物質の単離を行った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は, 難治性のかゆみへの新たな治療標的分子の発見に繋がる. さらに, itchy skin での複雑な痒みを直接指標とした in vivo アッセイ法による天然資源からの痒み抑制物質の探索は, 強い痒みを伴う皮膚疾患の治療に不可欠な新しい抗かゆみ薬の開発を可能にする. また, 本成果は, 難治性かゆみのメカニズムを解明し, 高齢化や生活習慣の欧米化に伴い増加する老人性掻痒症, 糖尿病による透析, 高脂血症やストレスにより多発する全身掻痒症の治療にも発展可能である.
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