本研究では,子宮癌肉腫(UCS)におけるS100A4とその関連分子の役割を検索した。S100A4を過剰発現している細胞は癌幹細胞(CSC)の特性を有し,細胞増殖能の減少と移動能の増加を示した。この変化は、S100A4のノックダウンにより消失した.ショットガンプロテオミクス解析でS100A4は非筋細胞ミオシンⅡ(NMⅡ)を密接に関連した。ブレビスタチンによりNMⅡを特異的に阻害すると,S100A4の過剰発現が誘導され,線維芽細胞様変化が惹起された。以上から、UCSではS100A4/NMⅡシグナル経路はEMT/CSCを誘導して、癌成分からの肉腫成分の派生や増殖・移動能の変化に関与する。
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