がん細胞では細胞間接着分子クローディン(CLDN)など様々な分子が発現異常し、診断や治療標的として利用されている。我々はCLDNから核内受容体にいたる新規シグナル伝達経路を発見し、これが乳がんや婦人科がんの悪性形質を制御することを明らかにした。一方で培養がん細胞株やヒトがん組織においては、あるCLDNが異なるCLDNの発現を制御していることを見出した。特にCLDN4とCLDN6は排他的に分布し、それぞれの陽性細胞は極性や増殖性など細胞の形質が細胞間接着以外においても異なることがわかった。以上よりCLDN発現パターンは腫瘍細胞の形質を反映する優れたマーカーである可能性が示された。
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