ヒトの体内に広く分布するマスト細胞は、内部の小器官である『分泌顆粒』にアレルギー症状を引き起こす様々な物質を貯蔵し、アレルゲンに反応してそれらを分泌する。しかしその詳しいメカニズムは明らかでなかった。研究代表者は、研究を困難にしている原因は細胞から分泌顆粒を回収するのが難しいことであると考え、効率的な回収技術を開発した。その結果、この技術を利用することで、分泌顆粒に局在しているタンパク質群(200種)を特定することができた。今後それぞれのタンパク質の機能を明らかにしてゆくことで、分泌メカニズムの解明につながるとともに、新たなアレルギー症状治療法の開発に貢献できるだろう。
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