研究実績の概要 |
平成31年度は、平成29年度に開発したブタ臓器を用いた腹腔鏡手術手技シミュレーショントレーニングを継続した。医師、医学生を対象とし、参加者は3つのタスク(1: 大動脈周囲のリンパ節剥離, 2: 腎動脈の剥離とヘモロックでの処理, 3: 腎実質縫合)を行い、トレーニング中の動画は録画し、後日2名の技術認定医がGlobal Operative Assessment of Laparoscopic Skills (GOALS, Am J Surg 2005)に従い技術評価した。医師40名、医学生14名のデータに関して、開発したモデルの良好なconstruct validityを確認し、現在論文(International Journal of Urology)投稿中である。 また、本モデルを用いて腹腔鏡手術基本手技の習熟度の数値化の試み、その値の学習者へのフィードバックに関する観察研究を開始した。具体的には、赤外線カメラを用いたモーションキャプチャシステムおよび圧力センサを用いて、参加者のトレーニング時の組織把持時の圧力、目的物への鉗子のスピード等の測定を行っている。各種測定値から、学習者が達成するべき鉗子操作に関するベンチマークスコアの確立を目指している。 その他、Virtual reality (VR)シミュレーターを用いたトレーニングに関して、左腎摘除術のシナリオを用いたvalidation studyを行った。33名が参加し、使用したLapVision VRシミュレーターに関して良好なface validity, content validity, construct validityを確認し、論文報告した(Surgery Open Science 2020)。
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