2010年に同定された機械作動性チャネルPiezoは、病態解明が急務とされている神経障害性疼痛などの難治性慢性痛成立に深く関わることが報告されている。近年、膝関節軟骨損傷の情報伝達を担い、炎症性物質によって機能修飾されることも明らかになったため、罹患率の高い膝OAの機械性疼痛成立においても、その関与が推察されていた。本研究結果ではチャネル発現量に変化を認めなかったが、既存のPiezoチャネルの機能亢進が機械性疼痛成立にどのように関連するか問題提起できたと考える。膝OAの機械性疼痛におけるPiezoチャネルの生物学的意義を深く証明するためには、さらなる研究継続が必須と考える。
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