高次脳機能障害は脳腫瘍治療において最も考慮しなければならない問題点の1つである。学習障害や認知機能障害などの副作用は、がん治療中に放射線に曝された後の中枢神経系(CNS)組織で報告されている。 この研究では、マウスを使用した炭素イオンの局所脳照射後の、海馬におけるアストロサイトの活性化と認知機能障害について調査した結果、照射されたマウスは顕著な学習障害を示し、作業記憶の実質的な障害を示した。また 組織病理学的観察により、照射後16週間でCA2-CA3の海馬で顕著な神経変性(海馬脆弱部位)を示したが、その領域においてアストロサイトの活性化が生じていることを明らかにした。
|