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2017 年度 実施状況報告書

食道ESD後難治性狭窄に対する自家細胞移植を用いた狭窄予防効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K09473
研究機関東北大学

研究代表者

櫻井 直  東北大学, 大学病院, 助教 (40451570)

研究分担者 亀井 尚  東北大学, 医学系研究科, 教授 (10436115)
佐藤 千晃  東北大学, 大学病院, 助教 (60646800)
丸山 祥太  東北大学, 大学病院, 医員 (90746348)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード食道狭窄 / ESD / 自家細胞移植 / 生体吸収性ステント
研究実績の概要

近年、早期の消化器癌に対する治療として内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が開発され広く普及している。しかし、食道では周在性が4分の3を超えるような大きな病変にESDを行うと難治性の術後狭窄が起こるため、ESDで根治できる早期癌に対しても手術や化学放射線療法が行われている。一方、再生医療技術の進歩により、培養表皮や培養真皮が熱傷治療に臨床応用され良好な結果が報告されている。そこで、皮膚と同じ扁平上皮からなる食道に培養表皮・真皮で培われた再生医学的手法を応用することにより、広範囲EMR後の難治性狭窄を防ぐ事ができるのではないかと考えた。本研究では食道を全周性にEMRした後、自家細胞(扁平上皮細胞、線維芽細胞など)を切除面に内視鏡観察下に移植し、さらに生体吸収性ステントを留置する。これらが切除部の治癒過程に及ぼす影響と狭窄予防効果の有無を明らかにし臨床応用への基盤とすることが目的である。
本年度は、食道を3cmにわたり全周性にEMRをし狭窄モデルを作成した。全身麻酔下にブタの食道にEMRC(Endoscopic mucosal resection using a cap-fitted endoscope)法で3 cmにわたり全周性のEMRを行い、14日後、食道造影と内視鏡観察を行なった後、ブタを犠牲死させ切除部を肉眼的、病理組織学的に評価した。14日後の内視鏡検査ではEMR部は高度の狭窄を認めた。病理学的には再生上皮はEMR部の辺縁に認めるのみで、大部分で肉芽組織が露出していた。次に、全周性EMRの後、生体吸収性ステントを留置するステント留置群について検討した。ステント留置群については、EMRと同時にステントを留置するためステントがEMR部から移動してしまい、14日目の評価の際、ステントが胃内に落ちていた。また、EMR部はコントロール群と同様に高度の狭窄を起こしており、病理学的にも上皮化はしていなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

当初、1.全周性にEMRを行うコントロール群、2.全周性EMRの後、生体吸収性ステントを留置するステント留置群の2群について検討する予定であった。コントロール群は予定どおり作成できたが、ステント留置群については、EMR終了後、一期的に食道に狭窄がない状況で予防的に留置するため、ステントが移動してしまい、14日目の評価の際、ステントが胃内に落ちていた。また、EMR部はコントロール群と同様に高度の狭窄を起こしており、病理学的にも上皮化はしていなかった。今後、ステントを移動しないよう確実に固定する手技の開発が必要である。

今後の研究の推進方策

これまでの報告のもあるように、生体吸収性ステント留置だけでは狭窄の発症を遅らせることができるが予防することができない。そのため、本研究では内視鏡切除部の治癒を促進する自家細胞移植と組み合わせることで狭窄を予防できるのではないかと考えた。
そこで今後は
1.自家細胞移植群(扁平上皮細胞、線維芽細胞なそ)
2.ステントの固定法の工夫
について検討し研究を進める。

次年度使用額が生じた理由

生体吸収性ステント留置群の作成段階でステントの移動が生じ、その解決法に難渋し実験が計画どおり進まなかったため予算に従って実験を進めることができなかった。来年度は自家細胞移植群についても検討を行い、さらに、ステント留置の際の固定法についても対策を講じる予定である。

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公開日: 2018-12-17  

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