複数あるErbB受容体のアイソフォームのなかで、心臓のホメオスターシスを保つのにErbB2およびErbB4が特に重要な機能を持つことが知られている。本研究では、心筋細胞でErbB2受容体もしくはErbB4受容体を過剰発現させることにより、心筋細胞が増殖しうるかどうかを検討し、将来の新規再生治療の可能性について探った。ErbB2受容体、ErbB4受容体、どちらも同じシグナル経路を活性化するにも関わらず、予想に反し、ErbB2受容体の過剰発現と、ErbB4受容体過剰発現では、まったく対照的な表現型を呈した。心筋細胞の増殖誘導には従来の概念とは異なるアプローチが必要なことが示唆された。
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