研究課題/領域番号 |
17K09654
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中島 拓 広島大学, 病院(医), 助教 (90643792)
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研究分担者 |
服部 登 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (00283169)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ALDH / 肺線維症 / ブレオマイシン / 肺障害 |
研究実績の概要 |
本年度は,まず予備実験で得られた結果である「CD45陰性/ALDH高活性細胞がブレオマイシンにより肺線維症を惹起された個体で減少していること」を再度確認した.その結果,再現性をもって「肺線維症マウスにおいて,コントロール群マウスと比較して肺におけるCD45陰性/ALDH高活性細胞が減少していること」が再確認された.
次に,研究計画に従い「CD45陽性/陰性およびALDH高活性/低活性」の指標を用いて,4つの分画の細胞をフローサイトメーターで採取した.予想された通り,肺におけるALDH高活性細胞は1%弱と非常に稀な集団であり,効率良く大量に採取することが困難であった.そこで,様々な表面抗原マーカーと磁気標識を用いて,negative selectionによるプレデプリーションを行い不要な細胞を除去することで,CD45陰性/ALDH高活性細胞のソーティング効率を高める方法を確立した.得られた「CD45陰性/ALDH高活性細胞」細胞は他の細胞分画 (CD45陽性やCD45陰性/ALDH低活性)と比較して明らかに増殖能に富み,一部は間葉系に分化誘導が可能であった.現在は引き続き,別に作成した肺線維症マウスに対し「CD45陰性/ALDH高活性細胞」の移入による線維化への影響を検証中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
経静脈的に肺線維症マウスに移入した「CD45陰性/ALDH高活性細胞」の識別のため,研究計画通り遺伝子改変マウス (ROSA26 H2B-mCherryノックインマウス)を購入し,飼育を開始している.しかし,予想に反して雌マウスに妊娠が成立せず個体数が増加していない.再度追加購入する必要性がある.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き「CD45陰性/ALDH高活性細胞」の細胞移入による線維化への効果を検証する.線維化を軽減させることを予想しているが,予想に反して線維化を増強する可能性は否定できない.なお,線維化に対して影響が見られなかった場合,肺以外の臓器から「CD45陰性/ALDH高活性細胞」を採取することを考えている.また,「CD45陰性/ALDH高活性細胞」が他の細胞分画と比較して増殖能に富むことを既に明らかとしているが,分化能についても検証をしていく.以上の結果をまとめ論文化を目指して ゆく予定である.
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