現在、腎透析によってその生命が維持されている患者さんが年々増え続けており、血液の浄化に費やされている医療費も莫大に膨れ上がっている。それに加えて、人工血管移植後のバスキュラーアクセス不全によるアクセスルートの再建術にも更なる医療費を必要とする。 また、近年、冠動脈バイパス術が年々増えており、術後の血管管腔内狭窄に対する再手術率もかなり増えている。本研究を介して、血管狭窄性疾患における動静脈中膜平滑筋細胞と外膜側の線維芽細胞のそれぞれの役割を解明し、人工血管や動静脈グラフトの血管内膜肥厚の病態生理に最も適した治療法を模索することにより基礎研究から臨床応用への橋渡しができればと考えている。
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