炎症性筋疾患(筋炎)は免疫学的機序により筋線維が障害される疾患の総称である.「筋炎の統合的診断研究」は,筋病理診断を基にした筋炎のデータベースであり,症例登録数は800例を超える.筋病理では多発筋炎と皮膚筋炎は別々の病態機序を背景とした異なる疾患である.炎症細胞浸潤をほとんど認めず,筋線維の壊死・再生所見が特徴的な筋病理所見に基づいた免疫介在性壊死性ミオパチー (immune-mediated necrotizing myopathy, IMNM) やアミノアシルtRNA合成酵素に対する自己抗体が陽性となる抗合成酵素症候群について,臨床像,筋病理,自己抗体の立場から固有の病型として確立した.
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