ヒト造血幹細胞(HSC)分画は未だ不均一な細胞集団であり、その中に補体制御分子であるCD35を発現する機能的なHSC亜分画を同定し得た。階層的な正常造血システムの理解が一層進むことが期待される。さらに適切な補体制御技術が確立されれば、造血幹細胞移植後の生着不全を回避し、その臨床成績向上に寄与する可能性がある。 さらに、白血病の治療抵抗性・再発にはHSCをカウンターパートとして存在する「白血病幹細胞」の重要性が示されており、白血病幹細胞においてCD35発現が認められ治療抵抗性に寄与しているとすれば、その制御により難治性白血病の新規治療法開発に繋がる可能性がある。
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