申請者は,過去の研究により皮膚筋炎における炎症は筋膜から始まり徐々に骨格筋に進展する傾向があることを MRI と筋膜を含む筋生検によって示した。本研究は、多発性筋炎と比較して皮膚筋炎の筋膜に発現している遺伝子を網羅的に解析し、皮膚筋炎の病態に関連する発現遺伝子を明らかにすることを目的とした。生検組織を筋膜と骨格筋に分け、それぞれの組織からRNAを抽出し、RNAシークエンスを行った。骨格筋では皮膚筋炎群と多発性筋炎群の2群間で有意差のある発現遺伝子は検出されなかったが、皮膚筋炎群の筋膜ではいくつかのケモカインや転写因子など有意に高発現している多くの遺伝子が検出された。
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