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2017 年度 実施状況報告書

固形腫瘍の画像診断及びホウ素中性子捕捉療法を目的としたσ-2受容体標的薬剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K10355
研究機関金沢大学

研究代表者

小阪 孝史  金沢大学, 学際科学実験センター, 助教 (50579836)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードベサミコール
研究実績の概要

近年、がんの罹患率及び死亡率は増加傾向にあり、がんの早期診断・早期治療は重要な課題となる。こうした中、PETやSPECTを用いた画像診断法とBNCTという治療法の融合が、がん患者の身体的・精神的負担を軽減する新規診断法・治療法として大変注目されている。そこで、本研究では増殖期の固形腫瘍細胞の重要なバイオマーカーであるσ-2(シグマ-2)受容体に着目し、σ-2受容体に高い親和性と選択性をもつホウ素含有イメージング剤の開発及びその治療法への応用の可能性を検討する。
すでにσ-2受容体に対して高い親和性を示す新規ベサミコール類縁体PIDVの開発に成功しており、その化学構造を基に新規含ホウ素化合物群のデザインと合成を行った。SPECTもしくはPETを用いた生体イメージングとBNCTの両方に利用可能な化合物の開発が望ましいと考え、ベンゼン環上にF(フッ素)とB(ホウ素)の両方の元素を含むベサミコール類似構造を新たにデザインした。将来的にF-18で標識すればPET/CTにて腫瘍細胞に含ホウ素化合物が集積の程度を画像診断し、BNCT療法の適不適を判断することが可能となる。また、実際にBNCTで使用する化合物と化学構造が同じなので、体内動態など正確な情報を事前に観察することが可能になる。逆合成経路を考えて対応するベンズアルデヒド体を原料として、その合成に取り込んだが、途中で予想外に合成上の問題があり未だ完成はしていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ベンゼン環上にフッ素とホウ素をともに含む化合物の合成に問題があり、新たにデザインした化合物の合成は完成していない。

今後の研究の推進方策

合成を専門に行っている有機合成化学者に助言を求めて、合成を完成させる。その後、in vitro評価を行い、in vivo評価に進むか、それとも構造を少し変えるかを判断する予定である。

次年度使用額が生じた理由

合成が完了しなかったことから、in vitro評価に使用する試薬や消耗品等用に用意していた資金の一部は合成に回したが、全てを使い切るには至らなかった。翌年度にin vitro評価を行うので、ここに「次年度使用額」を活用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 新規SPECT用シグマ-1受容体イメージング剤の開発研究2017

    • 著者名/発表者名
      茂野泰貴、小阪孝史、北村陽二、小川数馬、柴 和弘
    • 学会等名
      第12回日本分子イメージング学会総会・学術集会
  • [学会発表] Characteristics of 2-[4-(2-iodophenyl)piperidino]cyclopentanol(OI5V) as a new sigma-1 receptor imaging agent2017

    • 著者名/発表者名
      Taiki Shigeno, Takashi Kozaka, Yoji Kitamura, Rina Ishiyama, Kazuma Ogawa, Kazuhiro Shiba
    • 学会等名
      2017 SNMMI 64th annual meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] [123I]OI5Vの新規シグマ-1受容体イメージング剤としての評価2017

    • 著者名/発表者名
      茂野泰貴、小阪孝史、北村陽二、小川数馬、柴 和弘
    • 学会等名
      第15回次世代を担う若手のためのフィジカル・ファーマフォーラム (PPF2017)

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公開日: 2018-12-17  

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