腫瘍の画像診断とホウ素中性子捕捉療法の融合を目的として、σ-2受容体に高い親和性と選択性をもつホウ素含有イメージング剤の開発研究を行った。様々なvesamicol類縁体のデザインと有機化学合成、in vitroスクリーニングを行い、σ受容体に高い親和性を示したホウ素含有化合物とヒト悪性黒色腫A375細胞を用い、in vitro薬物細胞内取り込み実験を行ったが、残念ながら全てのサンプルにおいてホウ素の含有量は10 ng/mL未満であった。しかしながら、limonene骨格を有する新規化合物がσ-1受容体と比べて14倍以上という高いσ-2受容体選択性を示すことを見出した。
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