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2019 年度 実施状況報告書

ヨード密度CT画像を用いた肝線維化の評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K10379
研究機関近畿大学

研究代表者

鶴崎 正勝  近畿大学, 医学部, 准教授 (00379356)

研究分担者 村上 卓道  神戸大学, 医学研究科, 教授 (20252653)
兵頭 朋子  近畿大学, 医学部, 講師 (40403836) [辞退]
祖父江 慶太郎  神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (90622027)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードX線 / CT / 肝臓 / 線維化
研究実績の概要

ボランティア実験、臨床例の検討のため施設倫理委員会の承認が得られた。
(1)ヒトによるヨード密度値の定量測定と最適なパラメーターの確立のため、正常肝を有するボランティア患者10 名および,生検にて組織学的に肝線維化が評価されたウイルス性慢性肝炎・肝硬変を有する臨床患者に対して,DECTによる造影ダイナミックCT撮像を行いデータ収集を行なった。慢性肝炎(組織学的な線維化スコアF0-3),肝硬変(F4)患者それぞれ30 名(計60名)を目標としたが、集積終了した。CT撮像は通常の臨床で行われる撮像方法に従い,各相でのヨード密度画像を作成し,ヨード密度をROIにて測定する.
そのデータをもとに,肝線維化と関連のあるパラメーターを探索する.
現在のところ、以下のようにヨード停滞率(residual ratio)が良好なパラメーターである可能性が分かっている。
検討方法:線維化スコアF0からF4までの各群と肝実質のヨード[水]密度を比較検討した。結果:単純、門脈相、平衡相での肝実質のヨード[水]密度を順にIn、Ip、Ieとすると、(Ie-In)-(Ip-In)=Ie-Ip(門脈相から平衡相の密度の傾き)は、F0, -9.4±2.0; F1, -10.2±1.6; F2, -8.4±1.7; F3, -7.5±2.8; F4, -3.9±3.5であり、Ie-Ipと線維化スコアとの間に有意な相関がみられた(r=0.699, p<0.001)。また、cutoffを-4.0にした場合のF0-3とF4の弁別の感度は80%、特異度は93.9%であった。この結果の学会、論文発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

施設倫理委員会の承認申請手続きに時間がかかっていたが承認された。
症例集積に時間がかかっていたがほぼ集積できた。解析中である。

今後の研究の推進方策

R2年度:症例集積が終了したため、至適カットオフ値算出による肝線維化診断の妥当性の検証を行う。CT撮影を行ったウイルス性慢性肝炎・肝硬変を有する臨床患者から得られたデータの解析を行う.ヨード停滞率(residual ratio)を組織学的な肝線維化スコアと比較し,各スコアを有意に分別できる至適カットオフ値をROC解析にて算出し感度・特異度を評価することで肝線維化の診断方法としての妥当性を検証する.
また,組織検体から得られた他のスコア(脂肪化,炎症細胞浸潤,風船様変性)とヨード密度を用いたパラメーター値との関連を多変量解析(重回帰分析)にて評価を行う.当初の計画と異なり,停滞率を含むヨード密度を用いたパラメーター値が肝線維化の評価に寄与しなかった時に備え,ウイルス性慢性肝炎・肝硬変における組織学的肝線維化スコアを評価可能な下記の検査方法との比較検討も同時に行う.
①生化学的指標:ヒアルロン酸,Aspartate aminotransferase to platelet ratio index (APRI),FIB-4 index
②MRI硬度画像:GE社MRI装置 Signa 1.5T+MR touchを有し当施設で測定可能
③超音波硬度画像:Fibroscan,SWE,RTE いずれも当施設に有し測定可能

次年度使用額が生じた理由

2019年度に引き続き症例集積を行い、その後、至適カットオフ値算出による肝線維化診断の妥当性の検証を行う予定であったが思ったように症例が集積できなかった。また、データの妥当性の検討のためファントム撮像による解析の必要があり未使用額が生じた。
このため、ファントム撮像による解析と当該学会での発表を次年度に行うこととし未使用額はその経費に充てることとしたい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Dual-frequency MR elastography to differentiate between inflammation and fibrosis of the liver: Comparison with histopathology.2020

    • 著者名/発表者名
      Sofue K, Onoda M, Tsurusaki M, Morimoto D, Yada N, Kudo M, Murakami T.
    • 雑誌名

      J Magn Reson Imaging.

      巻: 51 ページ: 1053-1064

    • DOI

      10.1002/jmri.26903.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dual-energy computed tomography for non-invasive staging of liver fibrosis: Accuracy of iodine density measurements from contrast-enhanced data.2019

    • 著者名/発表者名
      Sofue K, Tsurusaki M, Mileto A, Hyodo T, Sasaki K, Nishii T, Chikugo T, Yada N, Kudo M, Sugimura K, Murakami T.
    • 雑誌名

      Hepatol Res.

      巻: 48 ページ: 1008-1019

    • DOI

      10.1111/hepr.13205.

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] The technical aspects of a feasible new technique for ipsilateral percutaneous transhepatic portal vein embolization.2019

    • 著者名/発表者名
      Tsurusaki M, Oda T, Sofue K, Numoto I, Yagyu Y, Kashiwagi N, Murakami T.
    • 雑誌名

      Br J Radiol.

      巻: 91 ページ: 20180382

    • DOI

      10.1259/bjr.20180124.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [図書] Multislice CT, Fourth Edition2019

    • 著者名/発表者名
      Sofue K, Tsurusaki M, Murakami T.
    • 総ページ数
      12
    • 出版者
      Springer Nature Switzerland AG
    • ISBN
      3319425862
  • [図書] Cirrhotic Liver. Medical Radiology.2019

    • 著者名/発表者名
      Sofue K., Tsurusaki M., Murakami T.
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      Springer, Berlin

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公開日: 2021-01-27  

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