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2018 年度 実施状況報告書

加齢や炎症が腸管免疫活性に与える影響-大腸癌発生母地との関連

研究課題

研究課題/領域番号 17K10641
研究機関大分大学

研究代表者

上田 貴威  大分大学, 医学部, 講師 (30625257)

研究分担者 猪股 雅史  大分大学, 医学部, 教授 (60315330)
衛藤 剛  大分大学, 医学部, 准教授 (00404369)
白石 憲男  大分大学, 医学部, 教授 (20271132)
平下 禎二郎  大分大学, 医学部, 病院特任助教 (10527758)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード大腸癌 / 加齢 / 炎症 / 細菌叢 / 腸管免疫
研究実績の概要

超高齢社会を迎えている我が国において、消化器癌の中で最も罹患率が高く、加齢により増加の一途を辿る大腸癌の発生母地の解明は非常に重要でかつ急務である。近年では腸内細菌叢の変化(dysbiosis)が炎症惹起や発癌原因となることが注目されている。3年間の研究期間に以下のことを明らかにすることを目的としている。
1. 加齢や炎症による大腸粘膜上皮の腺管構造や細菌叢の変化を明らかにする。2. 加齢や炎症による腸管免疫の変化および粘膜の糖鎖構造の変化を明らかにする。3. 上記1・2の変化を癌病巣の上皮の変化と比較・検討し、加齢や炎症がおよぼす大腸癌発癌への影響を明らかにする。
平成30年度の進捗であるが、当院で手術を行う初発大腸癌症例のうち、80例(75歳以上40例、75歳未満40例)、コントロールとして非大腸癌症例40例(75歳以上20例、75歳未満20例)の4群を対象とし、生検検体、便検体、及び切除標本を集積している。生検検体・切除標本からは、大腸癌発癌に関与するとされるF.nucleatumの免疫染色による局在および加齢との変化を検討している。また便検体では、16sRNA解析によって細菌叢の加齢による変化を検討している。さらに切除標本からは、加齢に伴う形態変化の有無および炎症細胞浸潤の程度(CD4やCD8)やサイトカインの産生(IL-6,IL-8、TNF-αなど)と加齢との関連の有無を上記の4群を用いて検討している。これによって加齢や炎症による大腸粘膜上皮の腺管構造や細菌叢の変化を明らかにし、さらに大腸癌との関連を検討していく予定である。
これまでに大腸癌10症例を集積し、免疫染色によるF.nucreatumの局在も確認している。また、これまでの検討にて高齢者と非高齢者の形態学的変化として粘膜高および杯細胞数に差を認めており、これらのさらなる詳細な検討も引き続き行っていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

・当院での手術症例における生検材料を含むサンプル採取が10例まで終了している。
・免疫染色によるF.nucreatumの局在の有無を確認している。
・高齢者と非高齢者の形態学的変化の検討により、その相違を認めている。
・当院での大腸癌症例の術前における腸内細菌叢の16SrRNA解析は30例完了している。

今後の研究の推進方策

・引き続き、大腸癌術前症例のサンプルの集積をすすめていく。
・切除標本のみならず、生検サンプルにてもF.nucleatumの免疫染色を行い、その有無・局在、加齢との関連を検討する。
・切除標本から、加齢に伴う形態変化の有無の検討をさらに行う。
・切除標本から、IL-8、10、16、TNF-αの免疫染色を行い、炎症と加齢との関連を検討する。
・便検体の16sRNA解析のうち、必要があれば組織検体のin situ Hybridizationにてさらなる解析を行う。

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公開日: 2019-12-27  

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