研究課題/領域番号 |
17K10765
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
心臓血管外科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
飯田 泰功 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (50408134)
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研究分担者 |
田中 宏樹 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (50456563)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 大動脈解離 / 炎症 / 脂質異常症 / PSCK9 |
研究成果の概要 |
ヒト大動脈解離の血管壁組織の病理学、組織学的検討を行い、特に中膜でPCSK9が過剰に発現していることを確認した。さらに、PCSK9の分泌が、中膜平滑筋細胞の中でも特に合成型平滑筋細胞由来であることを発見し、報告した。これは国内外で初の知見である。 また、マウスの大動脈解離モデルは、当初一般的であったが、ベースとなる脂質異常症マウスがApoEノックアウトであり、人ではType III脂質異常症で、かなり稀な病型であった。そこで、Type IIa(ヒトにおける最も一般的な脂質異常症)となるマウスを作成し、このマウスに昨年度と同様の実験的操作を行い、大動脈解離を誘発させた。この知見も国内外初であった。
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自由記述の分野 |
大動脈解離
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今まで大動脈解離は動脈硬化が原因と言われ続けてきたが、虚血性心疾患や、閉塞性動脈硬化症など、血管が「狭く」なる(狭窄)を引き起こす原因も動脈硬化と言われており、血管が「裂ける」疾患と病因が同じであることはおかしいと考えてきた。この研究を通して、大動脈解離と「炎症」との関係が明らかとなり、炎症が動脈壁の特に中膜に及んでいることが分かった。動脈硬化は主に内膜に病変を認めることから考えると、この研究成果は今後動脈解離の研究において有意義なものとなると考えられた。
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