研究課題/領域番号 |
17K10768
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
心臓血管外科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
田中 正史 日本大学, 医学部, 教授 (80382927)
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研究分担者 |
木村 直行 自治医科大学, 医学部, 教授 (20382898)
田岡 誠 日本大学, 医学部, 助教 (20814213)
大幸 俊司 日本大学, 医学部, 助教 (20748149)
板垣 翔 自治医科大学, 医学部, 講師 (40639035)
宇野澤 聡 日本大学, 医学部, 助教 (60451324)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 急性大動脈解離 / 大動脈破裂 / 好中球 |
研究成果の概要 |
大動脈解離発症後の大動脈破裂の誘因となりうる炎症反応に関する研究を行った。急性A型大動脈解離466例を対象とした研究では、解離が遠位側に進展するほど白血球数は増加し、腸骨動脈進展と白血球数>11,000/μLの関連性を確かめた(p=0.006)。 大動脈破裂例(n=3)と非破裂例(n=5)の大動脈内中膜の網羅的遺伝子発現解析では、好中球浸潤に関連するGSTT1・MMP10を含む534遺伝子(1.3%)が破裂群で発現増強し、gene ontology解析でもleukocyte migrationやinnate immune responseなどの疾患経路が破裂群で発現増強していた。
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自由記述の分野 |
心臓血管外科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
急性大動脈解離は、成人突然死の代表的疾患であり、急性期に出現する大動脈破裂が予後に大きな影響を及ぼす。ヒト症例を対象とした急性の炎症反応や大動脈破裂に関する研究は少なく、炎症反応の指標である末梢血白血球数増多に関しても背景因子の報告がなかった。 今回実施した研究により、解剖学的には大動脈解離の遠位側への進展が末梢血白血球増多と関連することが明らかになった。また、急性A型大動脈解離症例の大動脈組織を使用した網羅的遺伝子発現解析研究では、急性期炎症反応経路の発現増強が確認された。今後本研究を更に推進し、大動脈破裂の早期診断や早期治療実施につながるバイオマーカー開発を目指す。
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