研究実績の概要 |
本研究では、肺がん組織だけでなく同じく気道組織であるが容易に採取可能な口腔粘膜を用い、がん発生の主たるメカニズムであるエピジェネティックス異常やmicroRNA発現異常の網羅的解析を行い、肺がん発生高リスク群を低リスクで効率的に選定するバイオマーカーの確立を目指すことを目的としている。 口腔粘膜を用いた解析のpilot studyとして、HOXD11とPCDHGB6のメチル化が肺がん患者において非癌患者より効率で検出されることを発見し、論文を作成し、先日publishされた。肺がん組織を用いた研究においては、これまでにDLX4, MDFI, PCDH10のメチル化が、予後に関連する分子生物学的マーカーとなりうることを報告しており、症例数を増やして、これら3遺伝のメチル化での統合解析を行った。この結果をWorld Congress of Surgeryで発表し、Best Poster Prize Winnerに選出され、総会で表彰された。 さらに、環境因子とエピジェネティクス異常についての解析として、酸化ストレスと肺がん組織の遺伝子メチル化異常の関連について、Asia Pacific Society of Respirologyで発表し、Best Abstract of Assemnblyに選出された。
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