研究課題
腫瘍組織標本を用いた遺伝子解析やメタボローム解析によって、IDH1変異を有するグリオーマでは2-hydroxyglutarate(2HG)濃度の高値、およびGDH1/2とBCAT1が関連するグルタミン酸代謝が関係することが示唆された。しかし、グルタミナーゼ(GLS)阻害剤やグルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GDH)阻害剤によってIDH変異グリオーマ細胞の細胞増殖能や細胞死誘導に著明な変化を認めず、グルタミン代謝はIDH変異グリオーマの細胞増殖や生存よりも発生やエピゲネティックな変化(メチル化など)に関与すると考えられた。そこで、グルタミン飢餓状態がグリオーマ細胞に及ぼす影響についても検討し、セリンやグリシン、メチオニンなど他のアミノ酸の発現が上昇していることを確認した。これらは一炭素代謝に関与する代謝物であり、MTHFD2やSHMT2などミトコンドリア内で一炭素代謝を制御する代謝遺伝子の上昇を認め、今後はこれらの分子の機能解析や臨床標本での発現状態と悪性度との関連、細胞内代謝機構の変化について解析をすすめる予定である。
すべて 2019
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