本実験には手術で採取したヒト脂肪細胞からCD271陽性MSCsを抽出して用いた。ヌードラットの軟骨欠損モデルに対してCD271陽性細胞を移植した結果、高い軟骨再生能を認める結果であった。また一部雑多な細胞も含まれたprocessed lipoaspirate cellを変形性関節症モデル関節内に直接注入し、局所の抗炎症効果、変性軟骨の再生効果について検討を行った結果、早期変形性関節症軟骨に対しては軟骨再生効果を認めたが、進行期及び末期変性軟骨に対して軟骨再生効果は認められなかった。しかし、局所の抗炎症効果については早期、進行期、末期群においてコントロール群と比較して優位に抗炎症効果を認めた。
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