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2019 年度 研究成果報告書

両側後根付き脊髄スライスを用いた高速画像解析法による神経障害性疼痛発生機序の解明

研究課題

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研究課題/領域番号 17K11104
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 麻酔科学
研究機関新潟大学

研究代表者

馬場 洋  新潟大学, 医歯学系, 教授 (00262436)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード脊髄スライス / 末梢神経損傷 / 細胞内Ca / 光学的測定 / 両側後根刺激 / 成熟ラット
研究成果の概要

「末梢神経損傷によって脊髄後角細胞の興奮性が増強している」という仮説を検証するために、L5レベルで左右両方の後根を付した脊髄スライスを作成し、両側の後根を同時に電気刺激して後角細胞に誘発される細胞内Ca2+変動を記録した。
末梢神経損傷モデルはSpared Nerve Injuryモデルを用いた。正常側では後根刺激による細胞内Ca2+上昇は変化率1.5~2.5%で記録することができた。しかし、正常側と比べて神経損傷側の反応はすべてのスライスで減少していることが判明した。「末梢神経損傷により脊髄後角細胞の興奮性が増強して神経障害性疼痛がおこる」という考え方が必ずしも正しくないことが明らかになった。

自由記述の分野

麻酔科学

研究成果の学術的意義や社会的意義

臨床で遭遇する神経障害性疼痛患者の痛みの原因は脊髄における可塑性変化の結果、末梢から伝わってきた感覚信号が脊髄で増幅されて上位中枢である脳に伝わるためと考えられてきた。しかし、今回の実験結果から、脊髄から脳に送られる信号はむしろ弱まることが示唆され、脳への信号が弱まっても、それを痛みとして感じるのは脳における何らかの可塑性変化のためと予想された。
本研究の結果は、今後の神経障害性疼痛の発生機序の解明は脳の感覚野あるいは辺縁系(情動系)をターゲットとすべきことを示唆している。

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公開日: 2021-02-19  

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