研究課題
基盤研究(C)
子宮内膜は、プロゲスチン作用により適切に分化(脱落膜化)して胚受容能を獲得している。ヒト子宮内膜局所で転写因子HAND2が、ヒト子宮内膜の細胞レベルでどのように機能しているのかを解析した。HAND2の発現抑制した培養子宮内膜間質細胞では、形態学的および機能的な脱落膜化が抑制されていた。血管新生因子の発現調節にもHAND2が関わっているという新たな知見を得た。これらの結果から、HAND2が脱落膜化や血管新生などの子宮内膜機能調節において、重要な役割を担っていることが明らかとなった。
産婦人科
不妊治療において、着床率向上のために黄体ホルモン補充療法が行われている。黄体ホルモンは、胚着床ならびに以後の妊娠維持に必要不可欠な性ステロイドホルモンである。今回の検討により、HAND2という転写因子が、黄体ホルモンによる子宮内膜の機能調整に重要な役割を担っていることが明らかとなった。本研究により見出した新知見は、将来の不妊治療(生殖医療)の発展に寄与すると考える。