研究課題/領域番号 |
17K11272
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
村上 節 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20240666)
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研究分担者 |
郭 翔志 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (50464178)
木村 文則 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90322148)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 卵巣毒性 / 卵巣機能温存 / 乳癌 / がん妊孕 / シクロホスファミド / mTOR阻害薬 / シスプラチン |
研究成果の概要 |
非担癌マウスモデルを用いて、シスプラチンにmTOR阻害剤を併用することで、シスプラチンによる卵巣毒性から卵巣機能を保護することを明らかにした。またその機序はシスプラチンによる卵胞の過剰な活性化の防止と成長中の卵胞におけるアポトーシスの防止を両立することであると考えられた。 シクロホスファミドの卵巣毒性を評価するトリプルネガティブ乳癌移植マウスモデルを確立した。このモデルを用いて、シクロホスファミドとmTOR阻害薬の併用は、シクロホスファミドの抗腫瘍効果を少なくとも妨げず、かつ発育卵胞数を調節することにより、卵巣保護作用を持つことを明らかにした。
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自由記述の分野 |
産科学婦人科学分野
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年のがん治療法の進歩に伴い、小児若年がんの治療成績は著しく向上した。しかしながら、現在のがん治療は、手術療法、化学療法と放射線療法を組み合わせた集約的な治療が主体であり、がんサバイバーは、大なり小なり治療後の身体的影響を受ける。その中でも性腺機能の低下は妊孕能を失う恐れがある極めて重要な問題である。 本研究では、とくに乳がんの化学療法にmTOR阻害薬を併用することで、卵巣機能が温存され、将来のQOLの改善が見込まれることを示した。この成果は、がんサバイバーのみならず、Oncofertilityの医療に従事するがん診療従事者ならびに生殖医療従事者の負担も低減することができると考えられる。
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