バソヒビン2を標的とした卵巣がん新規治療法の開発を目指して研究を行っている。バソヒビン2は様々ながんで産生され腫瘍血管新生を促進することをわれわれは報告している。バソヒビン2を標的とした卵巣がん治療の臨床応用にあたって、がん化学療法との併用を念頭に基礎検討を行った。その結果、バソヒビン2ノックアウト卵巣がん細胞はパクリタキセルの感受性が増強することを発見した。またこの機序としてバソヒビン2ノックアウトによる微小管活性阻害と細胞周期の異常集積を観察した。バソヒビン2を標的とした卵巣がん新規治療法は従来の抗がん剤であるパクリタキセルとの併用により、より良い治療効果が得られる可能性が示唆された。
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