研究課題/領域番号 |
17K11297
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
松本 光司 昭和大学, 医学部, 教授 (30302714)
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研究分担者 |
柊元 巌 国立感染症研究所, 病原体ゲノム解析研究センター, 室長 (70291127)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ヒトパピローマウイルス / HPV / 子宮頸癌 / 子宮頸部上皮内腫瘍 |
研究成果の概要 |
子宮頸がん135例の予後解析からHPV型によって予後が異なることを確認した。HPV型によって組織型の分布や予後が異なることから、子宮頸癌としての特徴を決定するメカニズムはHPVゲノムの中に存在すると考えられ、HPV16/18/52/58型の全ゲノム解析を行った。HPVゲノムの変異パターンからHPVのゲノム変異にはAPOBRC3蛋白質の関与が示唆された。HPV16ではバリアントによって発癌リスクに有意な差が見られたが、HPV18/52/58では特定のバリアントに著しく偏っていた。子宮頸癌の約半数から検出されるHPV16は変異することによってその発癌性を上げているのかもしれない。
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自由記述の分野 |
婦人科腫瘍
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝炎でA型、B型、C型と原因ウイルスによって疾患が区別されているように、「HPV16型陽性頸癌」、「HPV18型陽性頸癌」、「HPV16/18型陰性頸癌」という疾患概念を確立できるかもしれない。中咽頭癌ではHPV陽性癌と陰性癌では予後が大きく異なるため治療法を変えようとする動きが見られるが、同様に子宮頸癌でもHPVタイピングやウイルスゲノム解析によって放射線感受性・化学療法感受性が高く予後が良好な集団を特定できれば、治療強度の個別化を実現できる。子宮頸部前癌病変患者ではHPVゲノム解析を行うことによって、HPVタイピングよりも詳細な進展リスク評価が可能となるかもしれない。
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