研究課題/領域番号 |
17K11327
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今井 貴夫 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80570663)
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研究分担者 |
太田 有美 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00598401)
滝本 泰光 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (00624298)
島田 昌一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20216063)
佐藤 崇 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30756002)
奥村 朋子 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (90734070)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | メニエール病 / 内耳造影MRI / 耳石器機能検査 / 回転検査 / 前庭動眼反射 |
研究実績の概要 |
本研究課題ではメニエール病モデルマウスの蝸牛、球形嚢、卵形嚢、三半規管の機能を評価し、内リンパ水腫の存在範囲との相関を検討することにより、これらの機能評価から内リンパ水腫の存在範囲が評価できる検査法を開発し、その検査法にてメニエール病患者の内リンパ水腫の存在部位を推定し、内耳造影MRIの結果との比較によりその妥当性を検討し、新たなメニエール病の病期分類につながる内リンパ水腫の存在範囲の診断法を開発することを目的としている。病期分類は治療決定や予後推測につながる必要がある。メニエール病には内リンパ嚢開放術という手術法が存在し、内リンパ嚢開放術により、メニエール病における内耳内リンパ水腫が改善し、めまいや難聴が改善すると考えられている。我々は内リンパ嚢開放術を施行し、術後2年経過した症例の術前、術後の内耳造影MRIの結果から内リンパ水腫の改善の度合いを評価し、これとめまい発作、難聴、蝸電図検査データとの相関を検討することにより、内リンパ水腫の改善の度合いから予後推測が可能かどうかを当該年度の2017年度に検討した。この結果を2017年の第27回日本耳科学会総会にて発表した。また、我々はすでに偏中心回転検査を用いて卵形嚢の機能評価が可能であることをすでに報告しているが、2017年度に、健康成人にて球形嚢を刺激した時の眼球運動を記録し、解析することにより、球形嚢の機能が評価できることを確認した。このデータに関する演題が2018年6月に開催される国際めまい平衡学会であるバラニー学会に採用されており、発表予定である。これら2つのデータは論文として発表する予定である。 我々の施設ではGE社製のMRIを使用しているが、GE社製のMRIを用いての内耳内リンパ水腫を評価する方法を確立させ、 European Archives of Oto-Rhino-Laryngologyに論文として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度、30年度でメニエール病患者のデータを取得する予定であったが、すでに21名のメニエール病患者のデータの取得を終え、この点に関しては当初の計画以上に進展している。しかし、マウスの耳石動眼反射のデータ取得が予定通りには進んでいない。平成30年度はメニエール病患者のデータ取得のためのエフォートをマウスの耳石動眼反射のデータ取得に使えると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
マウスの耳石動眼反射のデータ採取を第一優先に進める。マウスの半規管動眼反射のデータ取得のシステムは、現在、マニュアル操作部分が存在するので、全自動化できるようにシステムの改良を行う。全自動化できればデータ取得が容易にできるので、データ取得の能率が上がると考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
メニエール病モデルマウスの内耳標本での内リンパ水腫の程度と機能検査との相関を調べる研究を継続するため。
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